岸優太の視聴感想文

岸くんの研ぎ澄まされたカリスマを考察するブログ

すきすきワンワンへの想いが止まらねえ

私は常々、岸くんに「良い作品」とご縁があってほしいと願っている。

「良い作品」の定義ってなんやねん!といわれると難しいけど。

たとえば主演級のカッコいい配役。有名な原作の実写化。ゴールデンタイムのドラマ枠。そういう話題性や知名度がある大きなお仕事があるともちろん嬉しい。私だってできることならひとりでも多くの人に岸くんの演技を見てもらいたい。でも超個人的に求めてるものを考えると、それらは最優先事項ではない。

私にとっての「良い作品」は、作り手の届けたいものがブレてなくて、脚本や演出が細部まで拘り抜かれた作品。視聴者がたとえ少なくとも、観た人が、あぁこういうのを伝えたかったんだって納得する作品。そして全員じゃなくていい、誰かの心に響き愛されるような作品。そんな作品が岸くんの表現力によって形づくられていたらいいな。そしてあわよくばその作品が私の好みだったらいいな、なんて思う。

そういう意味では今回の『すきすきワンワン』はもうね、ドンピシャに、はちゃめちゃに、素晴らしかったの!!!!!!(そして私の好みだった)

好きすぎて想いが溢れて止まらなかったから我慢できずこれを書いてます。

『すきすきワンワン』て。

いや……タイトル!!て思うやん?しかもあらすじが「26歳無職クズ男のもとに、青年に生まれ変わった昔の愛犬が訪ねてきてやたらスキンシップをかけてくる」

………え、BL??????

てなるやん?どう消化したらいいかわからんやん?

でも蓋を開けてみてほしい。確かにクズ男と青年の距離は近い。近いが、思ってたんと全然違うから。

これは「若手ジャニーズが演じる新手のファンタジーBL」と思いきや「ワンコと飼い主の心温まる絆の物語」であり、本当は「誰もが持つ人間の弱さを視聴者に突きつけながら最後にそっと背中を押してくれるヒューマンドラマ」やと私は思ってる。

登場人物はクズ男の炬太郎と、青年に生まれ変わって戻ってきた飼い犬の木ノ宮てん、不動産屋の柿田さんの3人だけ。回によっては炬太郎の元カノが登場したり、幼なじみが登場するくらい。ハラハラドキドキな展開はあまりない。クスッとした笑いを挟みつつ、日常に始まり日常で終わる。シンプルの極みである。シンプルってことはつまり誤魔化せない。

よく考えたらドラマのほとんどはコタくんとてんがお家で会話する場面と、コタくんと柿田さんがお家で会話する場面で体感約7割を占めているんだよね。でも、退屈しない。それってすごくね?良質な台詞と演出、そして岸くん浮所くんをはじめとした演者さんの生きた演技がないと成立たないなあ、と毎週見るたびにつくづく感嘆するわけです。

何で良いんだろう、ってずっと考えてたんだけど『すきすきワンワン』は説得力があるんだなあ。これだ、説得力。

作品の説得力って、リアルさのもとに成り立ってると思う。リアルだから共感できる。共感できるから、説得力がある。

主人公の炬太郎がどこかにいそうな自然体な空気を纏っているのも、その説得力に一役買ってると思う。岸くんが演じる炬太郎って、キャラは立ってるんだけど極端じゃないんだよね。ちょっと笑えるけど胡散臭くならない絶妙なバランスをついてくる。そしてひとつひとつの仕草、表情、言い回しにいたるまで、岸くんが演じてるというより、別の岸くんがいるみたいな。それがたまたま炬太郎だった、みたいな(伝わる?)

ボサーーっとしてて、まあまあクズで、でも実はプライドがあって、微妙に卑屈で、テキトーだけど頑固で、ちょっと不器用で、本当は優しい。炬太郎はいつも一辺倒とは限らないし、矛盾した感情を抱えてることもある。それが岸くんの表情を通して伝わる。例えば夢を叶えた光太郎と再会する前に、自分は今の生活でいいんだと言い張る言葉とは裏腹の煮えきらない気持ちとか。こういう感情、誰にでもあると思う。だから私たちは100%じゃなくても、どこかしら炬太郎の気持ちに共感してしまう。し、ときどき自分が炬太郎になったかのようにグサリと刺されてしまう。

でも岸くんの演技だけじゃこんなに血の通った炬太郎にはならなかったわけで、しっかりと骨組みを組んでくれる脚本や監督さんや演出がないとこうはならなかったわけで。だからやっぱり、岸くんが『すきすきワンワン』という素敵な作品に恵まれてよかった。そのおかげで岸くんの良さが最高に活かされた演技を見れた…とまた涙がちょちょぎれてしまうのです。

逆に浮所くんはどこか浮世離れしてる雰囲気とピュアさが"愛犬の生まれ変わり"のファンタジー設定にハマってる。コタくんへの真っ直ぐな愛情が躊躇なく出てる。最近浮所くんがサモエドに見えるもん。

水橋文美江さんの脚本もね、本当にいいよね。第2話で、最後まで炬太郎がみおに「好きだった」と言えず、その本心を炬太郎が語らずに終わったのが良かった。みおに好きだと言えていたらそれは炬太郎じゃない。本当の想いこそ、伝えるのは難しいから。

第4話で「どんな仕事にも誇りを持つことが大事」というてんの言葉を、肯定も否定もせずに終わったところも良かった。誇りを持てたらそりゃあ素晴らしいけど、なかなかそんな風には思えないのが現実。誇りを持てない、それでも今やっていることは無駄じゃないと信じて明日を見つめる炬太郎がいるから、説得力があるんだよね。そんな炬太郎を見て、くう〜私もなかなか自分の仕事に誇りを持てないけど、きっと今の頑張りがいつか実を結ぶはず、と信じて一日を終えられる。

で、最後にWe are youngが流れるやん?いつも最後はコタてんやコタかっきーのほっこりな場面で終わるのに、この曲が流れると泣いちゃうんだよ。心にじんわりと沁みて。完全に私の涙腺スイッチになっている。岸くんと4人の柔らかい歌声が映えて、このうえなく岸くんに似合う、温かく壮大な曲だと思う。こんなに素晴らしい楽曲を提供してくれた玉置浩二さんには感謝しかない。

あとあと!『すきすきワンワン』公式アカウントさんの手厚さにも心から感謝しております。こんなに毎日いっぱい最高のきしうきを提供してくれて、オタへの福利厚生がハンパない。そしてこんなにいっぱい動画が投稿されているということは、岸くんが多忙の合間にそれだけいっぱい撮影してくれているわけで…ありがとうだよ岸くん(FC動画で映ってたギャグ千本ノックまじで尊敬する)

『すきすきワンワン』を観たきっかけは岸くんだけど、今は岸くんだけじゃなくてこの作品をまるっと愛してる。そう思える作品に、推しが主演として出ているってなんて幸せなんだろう。

来週はもう第5話だ。早いなぁ。終わりを考えるとすでにとても寂しい。でも次の回でまた炬太郎の新たな一面が観られるのを心から楽しみにしてます。

www.ntv.co.jp